▼出演: 反町隆史、中村獅童、鈴木京香、仲代達也、松山ケンイチ、蒼井 優、山田純大、奥田瑛二、長嶋一茂、渡 哲也 他
▼英題: Yamato
▼公式サイト: http://www.yamato-movie.jp/
鹿児島・枕崎の漁港を訪れた女性、内田真貴子は、亡くなった父の願いを叶えるため、かつて戦艦大和が轟沈した海域へ船を出すよう懇願していた。
一人の年老いた漁師・神尾は、その真貴子の願いを聞き入れ、60年前のあの日へと自らの船「明日香丸」を走らせることになる。
神尾は、かつて大和に乗り込んだ特別年少兵であった。そして、無謀な沖縄水上特攻作戦の数少ない生き残りでもある。
そして、真貴子の父もまた、その生き残りであった。世界最大の戦艦において交錯した彼らの人生は、悲惨な戦闘により断絶を余儀なくされたのだった。
神尾が大和に着任したのは昭和19年の2月。厳しい訓練を仲間たちと乗り越える中、尊敬できる上官と巡り会った。機銃射手である内田と、烹炊所班長の森脇である。
二人の上官の叱咤激励を受けながら、神尾たち年少兵は一人前の水兵として成長していく。
しかし戦局は悪化の一途を辿り、軍司令部はついに沖縄への特攻作戦を敢行することを決める。一夜の上陸を許された乗組員たちは、家族と、恋人と最後の時間を過ごし、翌朝、大和へと戻っていった。
大和を旗艦とする部隊は、帰ってくることのない母港を出発し、最後の航海に臨むのだが・・・。
◆ ◆ ◆
公開から約3ヶ月、かなり時間が経ってしまいましたが、広島ではまだ上映してくれていたのでなんとか観ることが出来ました。
自分の世代では宇宙戦艦のほうが馴染み深いのですが、もちろんオリジナルの超超弩級戦艦も幼少の頃から大好きで、プラモデルもいくつか作りました。大艦巨砲主義のなれの果てであり、日本の低レベルな戦略の象徴でもありますが、なんといっても比類無い格好良さがこの艦にはあります。
そんな艦の美しさ、素晴らしさを動く映像で堪能できる作品として期待していた映画だったんですが、それに加えて乗組員たちの人間模様がドキュメンタリーのように見事に描かれています。もちろん個人史に関してはフィクションなんでしょうけどね。
現代と過去を何度も往復しながら進んでいく物語ですが、歴史の解説手段としてVTRとナレーションを使ったのはちょっと違和感がありました。物語に集中しようとしているのに引き戻されてしまう感じがして、興が削がれてしまうんです。
時代背景の説明が必要だとしても、もっと違ったアプローチがあっても良かったんじゃないでしょうか。
戦時中のシーンでは登場人物たちの為人、とくに若くして死地に赴く年少兵たちと敬愛する先輩下士官のいろいろな想いを、巧みに表現できていたような印象です。とくに主人公である二人は格好良すぎです。
オイラは中学時代に大戦中を描いた本を読みまくった経験があるのですが、あんなに立派で人情味の溢れた軍人って出てきた覚えがありません。
そして年少兵たちも、当時の若者の純粋さと健気さ、そして勇敢さがよく描かれていました。現代の若者に比べて幼く感じる部分もありますが、その心の内に秘めた勇気と責任感がよく理解できる人間ドラマって感じですね。
作品のクライマックスは、やっぱり米軍機襲来から轟沈に至るまでの戦闘シーン。上空から俯瞰で撮った戦闘中の大和など、身震いするようなシーンの連続でした。
思い切ったような流血シーンも、作り手のこだわりだったんだと思います。真っ赤に染まる甲板と吹き飛ぶ兵士たち、これが戦争なんですよね。
撃沈シーンは「パール・ハーバー」に似ていましたけど、やっぱりスケールの大きさでは全然及びませんでした。まぁ比較しても仕方がないんですけど。
それでも、なかなか迫力のある映像に仕上がっていて、予告編で散々観ている艦橋が倒れていくシーンも良かったです。
戦時中のシーンは良かったんですが、現代のシーンはやっぱり最後までしっくり来なかったのが残念でした。
それにしても、仲代達也の敬礼は肘を立てすぎのような気がするんですが、気のせいでしょうか。
シーンにのめり込めないからか、つまらないことまで気になってしまいました。
■満足度: ★★★☆☆
■鑑賞日: 2006.3.06
■映画館: 広島バルト11
多分これは、軍隊の敬礼を忠実に再現したんだと思いますよ。
敬礼には海軍式と陸軍式があって、海軍式は【持ち場=艦内】が狭いため陸軍式より立てた敬礼になるそうです・・・と元軍人さんから聞いたことがございます。
いや、海軍式だとすれば肘を横に張りすぎじゃない?・・・ってことなんですよ。
もうすでにうろ覚えなんですけどね。